慈悲の瞑想とは

「慈悲の瞑想のやり方を教えてください。」

慈悲の瞑想(メッタ・バーヴァナー)は、仏教で最も広く実践されている瞑想法の一つです。「慈悲」とは、他者の幸せを願い、他者の苦しみに寄り添う心のこと。この瞑想では、その心を意図的に育てます。

スッタニパータ慈経の教え

スッタニパータの慈経(メッタスッタ)偈149-150にはこう説かれています。

全世界に対して無量の慈しみの心を起こすべし。
上に下に横に、障りなく怨みなく敵意なく。

「全世界に対して」というスケールの大きさに驚くかもしれません。しかし実践は、ごく身近なところから始まります。

5分間でできる基本の実践

1. 自分に向ける(1分)

静かに座り、目を閉じます。「私が幸せでありますように。私が安らかでありますように」と心の中で繰り返します。

2. 大切な人に向ける(1分)

家族、友人、恩師——大切な人を思い浮かべ、同じ言葉をその人に向けます。

3. 中立的な人に向ける(1分)

コンビニの店員、すれ違う通行人——特に感情のない相手に慈しみを向けます。

4. 苦手な人に向ける(1分)

最も難しい段階です。無理をする必要はありません。わずかでも慈しみが向かえば十分です。

5. すべての存在に向ける(1分)

「すべての生きとし生けるものが幸せでありますように」と唱え、全存在へと広げます。

今日まず、朝の5分間だけ、自分自身への慈しみの言葉から始めてみてください。