まだ来ていない苦しみ

「未来のことが心配で、不安が止まらないです。」

不安とは、まだ起きていないことに対する苦しみです。仏教では、これを「妄想」——心が勝手に作り出す幻と捉えます。未来の苦しみは、今この瞬間には存在しません。しかし心はそれを「今ここにある脅威」として感じてしまう。

心は矢のように飛ぶ

ダンマパダ第3章「心品」偈33にはこうあります。

この心はゆれ動き、落ち着かず、制しがたく、おさえがたい。
智慧ある人はこれを真っ直ぐにする。弓師が矢の軸を真っ直ぐにするように。

心は本質的に揺れ動くものです。未来に飛んでしまうのは、心の癖であって、あなたの欠点ではありません。

自分で確かめるということ

カーラーマ経では、仏陀は「誰かが言ったから、経典に書いてあるから信じよ、とは言わない。自ら実践して確かめなさい」と説きました。不安に対しても同じです。

「本当にその未来は来るのか?」と、不安を客観視してみてください。多くの不安は、実現しなかった過去の心配の積み重ねです。

今日、ただ三度だけ深く息を吸い、「今ここにいる」と静かに感じてみてください。